PATM(パトム)

「論文から基本を読み解く」PATMを世間はどう捉えているのか2

2019年11月7日

PATMの基本

前回は、一般社会ではPATMをどう捉えているかという事を中心に書きました。まだまだ悩む人の数に比較して、それを取り扱う専門家が少ない、というのがPATMの実情です。今回は昨年に書かれた論文「皮膚ガス測定及び鼻腔内微生物検査に基づくPATMに関する考察(pdf形式)」についての深掘りです。論文は下記URLから読めます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/siej/21/1/21_19/_pdf

また「PATMの正体 その1」を読んでいない方は、このブログを読む前に、そちらを読んでくださいね。

「病気?気にしない?」PATMを世間はどう捉えているか1

どんな物質がPATM反応を促しているのか?

論文はPATMを主訴するある男性からの相談を受けた東海大学大学院が、様々な検査を行いつつ、「PATMの有る無し」を判断する、という体裁になっています。物質検出については基本的に当社で行うGCMS分析とほぼ同じ方法です。

実験についてですが、まず最初は皮膚ガス放射フラックスといって、当社の方法とは少し違うのですが、特定の物質有る無し、質量を測定できる方法を行っています。もともと「様々なPATMのデータ」を持たない状況での検査となっている為、「何がPATM物質として周りの人の反応を促しているのか」という考察が抜けているのですが、同一日に測定した「対象者(つまりPATMではない人)」との対比で5倍以上の検出があったモノが「PATM物質かも知れない」と推測しているかのように太字で明記しています。(但し、後述のように、明らかに刺激感を持たないモノも多くあります。)

それらの物質とは「アンモニア」「ヘキサン」「プロピオンアルデヒド」「トルエン」「エチルベンゼン」「o-,m-キシレン」「ヘキサナール」「p-キシレン」「1-ペンタナール」「trans-2-ヘキサナール」「「1-ヘプタナール」「メチルへプテノン」「ノナナール」「2-ヘキセノール」「イソ吉草酸」「ベンゾフラン」「ジブチルヒドロキシトルエン」「2-オクタン酸」「フェノール」「ヘプタン酸」「2-トリデカン」「オクタン酸」

となっています。これらのうち、当社でもPATM物質であると考えているのは、赤文字のモノです。黒文字のモノのうち、いくつかは検査ユーザーさんにもおなじみですよね。いわゆる「基礎体臭物質」です。

次に、まさに当社と同じく、肌着に付着した物質についての考察があり、その際には、もう一覧にしないですけれど(繰り返しになる部分が多いので)ヘキサン、プロピオンアルデヒド、トルエン、2-エチルヘキサナール、o-,m-キシレン、等が検出されたようです。

実際には、当社で同定しているPATM物質は他にもたくさんあります。上記赤文字のモノは大まかに分けて、シンナー(或いは除光液)的なニオイのあるものが多く挙げられています。もちろん、そうでないものもいくつかありますが。

アンモニアは少し難しくて、閾値が非常に高く、皆さん不思議に思うかもしれませんがボリューム(つまりそこにある総量)が多くないと臭いません。ボリュームが少ないと生臭い感じがして、あの刺激感をあまり感じません。また基本的に汗と一緒に表皮に出てきたり、表皮雑菌が簡単に作ったりと、体臭物質の中ではありふれた存在です。それでも、ボリュームが大きい時には、周りに激しい反応を引き起こします。だからPATM物質ではないけれど、PATM症状を引き起こす可能性がある、という事です。

これらの物質が実際に検出されていて、それが周りや自分自身の反応の原因であり、それらはPATMで悩むことのない人との比較で顕著に多く分泌されているということから、結語の「今回の調査からPATMは被験者の精神的なものではなく、明らかに存在する未解明の疾病である可能性が極めて高い」という言葉を導き出していると思えます。

検体の数があまりに少なく(だって被験者2人、対象者1人(対象者とはPATMを訴えていない一般の方)、物質の選定も私が考えるには、あまりに少なく、何とも言えませんが、実際に「PATM」で悩むがいる、という当社の見解と一致することは間違いありません。

洗濯の影響?

また、上記の肌着による放射フラックス調査ですが、別の角度からの調査もされています。洗濯洗剤の影響です。洗濯したら再度検出したモノもあれば、無くなっているモノもある。更には今までなかった物質の検出もある、ということで、洗濯や洗濯洗剤の影響は分からなかった、と結論しています。

これは用意した肌着2枚の比較で、一枚は未着用とのことですから、つまりは「もともとPATM物質が付着していた」のかの調査という事なのでしょう。実際に、肌からPATM物質が出ていることが検証されたのですから、ココは踏み込んで「PATM物質は蓄積するのか? その場合の周りへの影響はどう変化するのか?」ということの方を調査してほしかったと思います。

イヤ、必要ないですね。当社の実績がいくらでもありますから。PATM物質にしてもその他の体臭にしても、ケアがキチンと出来ていなければどんどん蓄積していきます。それが周りの反応の多寡にかかわります。そういえば、この論文の初めの方で、被験者の言葉として「新品の衣類を着ても反応される」というのがあります。当社の検査ユーザーさんも同じことをよく言われます。そこが「第三者反応の判断」の難しい所。たとえ新品の衣類を着ていても体からは刺激感物質は発露します。周りの反応が少ないなどという観察はなかなか難しく、だから、反応が少ない時にも「やっぱり反応される」という風にだけ思ってしまう場合もあります。この逆の場合もあります。

けれど、衣類や体表のケアをシッカリ行って、刺激感物質の総ボリュームを減らしていくことは理論的に理に適った改善方法です。シッカリ周りの反応を観察すれば、反応される距離が短くなっているのが分かります。

もう一回だけ論文についてのことを書きます。カンジダカビとPATMの関係についての論証がありますので、それは書いておかないと、と思っています。当社ユーザーさんでもカンジダの治療をして反応が減ったという人もいます。しかし、全く変わらないという人もいます。逆説的な「PATMで悩む人にカンジダカビはあるのか?」という調査ですからね。興味があります。

「細菌・カンジタ・食事の関係性」PATMを世間はどう捉えているのか3

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